変形性膝関節症
クッションの役目をする軟骨がすり減り、痛みを生じる病気です。加齢、O脚、肥満が主な原因と言われています。レントゲン・MRI検査で、軟骨や半月板の状態を詳しく調べます。
くすりの治療とリハビリを行い、必要に応じてヒアルロン酸関節内注射を行います。
O脚には装具治療を行います。
◆ PRP-FD療法(濃縮多血小板血漿注入法)
ヒアルロン酸注射が無効の場合には、最新治療であるPRP-FD療法(濃縮多血小板血漿注入法)も行っています。血小板には組織を修復する成長因子が多く含まれていて、組織修復能力があることが確認されています。自分の血液を50ml採血し、血小板を高濃度に濃縮して関節内に注入します。この治療法は保険適応外の治療になります。
◆ 手術療法
痛みが改善せず、日常生活に支障を生じる場合には手術を行います。
① 人工膝関節置換術
傷んだ軟骨面を人工関節に入れ替えます。痛みが改善し歩行が楽になります。
手術時間は2時間位で、入院期間は4週間程度です。
② 内側のみの人工関節置換術
軟骨の傷みが、内側だけの場合に行います。体への負担がより少ない手術です。
手術時間は1.5時間位で、入院期間は3週間程度です。
半月板損傷
半月板は関節の内外側にあるクッションと安定化の役目をしている軟骨です。半月板が損傷すると膝の曲げ伸ばしの際、痛みや引っかかり感を生じます。
MRI検査で診断します。安静、くすり、リハビリ、注射の治療を行います。前述のPRP-FD療法を行うこともあります。
症状が改善しない場合は、内視鏡を用いて損傷部位の切除もしくは縫合手術を行います。
内視鏡手術は、約5mmの皮膚切開で行う体にやさしい手術です。
内視鏡を用いて、膝の引っかかりと痛みの原因である半月板(矢印部)の切除を行いました。